第54回テーマ 【 最近、ショックだったこと! 】

-2023年4月10日 第587号-

先日、リノベーション現場で
お客様や、職人さんみんなで
2階の現場の中で打合せしてたんです。

その日は、お天気も良く
2階の窓から木々の向こうに
お隣りの家が良く見えてました。

ちょうど、お隣りの屋根の上に
ヘルメットをビシッと被った
若い職人さんが登って行くのが見えました。

お隣りは、立派な古い瓦屋根のお家です。

何の作業が始まるのかなと
打合せの合間に、チラ見してたのですが
何かしゃがんで、屋根の上で手元の作業を
繰り返している様子でした。

こちらの打合せもひと段落し
よくよく、お隣りの屋根の作業を見たら
瓦の隙間をすべて、コーキングを打ち
埋めているんです。しかもとても丁寧に
一枚ずつ進めてました。

ショックです。

わたしも、20年くらい前から
屋根は、軽量の材を採用していて
瓦の屋根工事には携わってないですが
新築や瓦屋根の工事経験があれば
その様な作業は、絶対にしないと
思うのです。

新築の家づくりでは、
上棟(木の骨組みができる)と
すぐに屋根に、ルーフィングという
防水紙を敷き込みます。雨が家の中に
入らないのは、ほぼこの防水紙の
おかげなんです。

その上に、瓦やカラーベストなど
屋根材を重ねて貼るのですが
一枚ずつには、隙間があります。

雨が降ると、屋根材の裏に入った
多少の雨水は、下の屋根材の隙間から
抜けて行くので、心配がないのです。

この抜け道をすべて
塞いでしまう作業をしてしまうと
多少の隙間から入った雨水が
屋根下地の中で横に広がり
余計に雨漏りが酷くなったりします。

瓦の四方、すべてコーキングすれば
普通に考えると、雨は入らないと考えると
思いますが、完璧に塞ぐのは難しく
短期間だけの効果でしょう。

何が、ショックかというと
遠目に見ていても、まじめに
職人さんは、作業されてました。

私が勝手に想像するに
ちゃんと教えてくれる上司や
請負会社の中に、経験者が
いないんだと思いました。

私も、もうじき60歳近くに
なりますので、経験してきたことを
次世代の職人さん達に
伝えていかねばと強く思いました。

何が、私にできるか
考えたのですが、

例えば、今回の件で言えば
瓦屋根のトップメーカーの技術者に
私がインタビューし、さまざまな
現場の話しを動画に残して
公開はできると考えました。

住宅でも、20社以上の工種の職人さんが
関わらないと家は出来あがりません。

インタビューは、多岐に
渡ると思いますが、継続して
実行して行こうと思います。