第11回テーマ 【 北について 】
2021年6月28日 第500号 掲載
6月21日 今年の夏至も過ぎ。
ようやく少し梅雨らしく
なってきましたね。
夏至は、日の出から日の入りまで
1年の中で最も長い日として
毎年、6月21日か22日です。
建築士は、この夏至の日と
もっとも昼が短い冬至の日は
建物から北側に落ちる影の長さが
もっとも短くなる日と
もっとも長く伸びる日として
周辺環境の影響を検討する日として
業務の中で深く関わっております。
この日当たりについては
不動産物件の間取り図(平面図)を
見るのが好きという方も多いかと思いますが
間取り図の脇に通常、北の方位やNの記号が
書かれています。それを見てこの部屋は南向きで
陽当たりが良いとか判断していますよね。
実は北の方位は、不動産の広告のように
コンパスの針が指す磁北で書かれたものと
建築の設計で使用する真北(しんぼく)の
2種類あります。
真北とは北極点の方向になります。
(地球が自転する回転軸の部分)
どちらも、北なのですが
磁北と真北でどれくらい差があるかというと
地域により少しづつ異なりますが
東京付近なら、コンパスで指す磁北より
現在は約7度ちょっと右が真北になります。
古代の建物でも東西南北を
意識して建てられたものの多くが
真北を利用していたそうです。
方位磁石もない頃ですので
天体の北極星から導き出していたと
想像できますね。
梅雨が明けたら、夏の夜空を
眺めてみたいと思います。
今回は、季節と方位のお話でした。