周囲は緑豊かな自然に囲まれた閑静な住宅街。
駅前の喧騒を離れ、古都鎌倉の落ち着きに包まれた住環境である。
歴史の舞台となった数々の寺院が点在する帰路は、鎌倉ならでは、だ。
駅からは歩くことおよそ15分。
鎌倉と北鎌倉の両駅が利用可能な立地であり、その道程はいずれもかなりの“雰囲気”がある。
それもそのはず、国指定史跡である鎌倉七口の1つ「亀ヶ谷坂」の切通に、本マンションは在る。
そのエントランスに、訪れたもの誰もが驚くはずだ。
何を隠そう、周辺の寺院だけでなく、本マンション自体も歴史ある土地に建てられている。
古くは大正時代、日蓮信者の田中智学の別荘であったが、宣教のため売却され鉱泉旅館となった。
その後、かの文豪・川端康成が「千羽鶴」を執筆した事でも有名な香風園へ。
現在はエントランス横に記念碑が建てられており、入口のアーチ状の門だけが当時を物語っている。
景観を邪魔せずに緑に溶け込む配置は、さすが鎌倉のマンションである。
竣工は1985年10月。
歴史的な背景とは裏腹に、その年月ほどの古さを感じさせない瀟洒な佇まいが、管理体制の良さと住民意識の高さを物語っている。
総戸数19戸、鉄筋コンクリート造の2階建、中庭を囲むようにA棟とB棟で構成されている。
各住戸の開口部はそれぞれ南東・南西を向き、採光・通風を確保している。
分譲時の住戸専有面積は約90〜130㎡超とさまざま、当時よりゆとりのあるプラン提供がなされていたマンションである。
当時の豪華さを残しながらも、決して派手に目立つようなことはなく、ひっそりと佇む、奥ゆかしいヴィンテージである。
歴史と文化が色濃く残る悠久の地・鎌倉は扇ガ谷の希少なマンションである。