山手駅からの距離はおよそ560m。
その道程の大半は坂道となるが、大人の脚で10分はかからないだろう。
2007年築の地上4階建、総戸数は66戸となる。
70〜110㎡台のLDKプランをメインとしたファミリー向けのハイグレードマンション。
由緒ある邸宅街、横浜山手のヒルトップに佇む、デザインと充実の設備が魅力のマンションである。
アドレスは中区西竹之丸。
もともと静かで落ち着いた雰囲気の山手だが、観光名所や森林公園からは少し離れたちょうどよい距離感であることもあり、
より一層閑静な住宅地である。
マンション前の通りは行き止まりということもあり、交通量も少ない。
小さいお子様のいるご家庭には大きなポイントとなるだろう。
“この地の資産を継承しつつも、さらに豊かな街並みを形成する”
そのコンセプトを軸に、中庭を取り囲むようなコの字型とし、古くからこの地を見守ってきた桜とイチョウの木々を保存。
そしてそれを再整備するとともに、住空間の開放性とプライバシーとの両立が図られている。
美術館の様なファサードと、透けるほど薄い施釉を施した特注のセッ器質の白いタイル。
モダンでありながらも温かみのあるこの外観が、邸宅街には良く馴染む。
道路に平行して壁を幾重にも配置することで、パブリックからプライベートへの空間の変化を表現している。
イチョウ並木が配されたプロムナードが見事である。
そのプロムナードから繋がるエントランスと車寄せのあるサブエントランス。
これならば雨の日でも安心だ。
前記の中庭には街路からも垣間見ることができるようアート作品を配置。
マンション中央の「ガーデンギャラリー」、その樹木の傍に用意されたウッドテラスは住民の憩いの空間となっている。
この中庭の存在や、配置されたアート作品、モダンで温かみのある外観等、
そのデザインは洗練されており、住む人々だけでなく、地域住民にとってもアートスポットとして存在感を放っている。
2008年度グッドデザイン賞ならびに神奈川建築コンクール優秀賞の受賞は伊達じゃない。
重厚感のある外観デザインが、私邸に相応しい品格が、大人の感性を刺激する。